記憶術の歴史について

記憶術の歴史について

記憶術という技術がいつから存在しているのか?

ふとこんな疑問が過りました。

最近は気になってしまうと居ても立っても居られず、すぐに調べる癖がついたので、記憶術の歴史についてもすぐに調べました。

すると思っていたよりも古くから、人間は記憶術という技術を使っていたのです。

人間にとって記憶術は、古くから信頼しているものだったということがわかりました。

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記憶術はいつから存在しているのか

記憶術は、場所によっても違いがありました。

その最も古い情報として残されているものは西洋となっていますが、それも定かではありません。

何せもう文献にも残っていないくらい前から記憶術は存在していたと言っても過言ではないほど、古くから存在していたのですから。

西洋の記憶術

今のところ最も古い記録として残っているのが西洋の記憶術です。

その当時は伝統的な修辞学の一つの部門として扱われていました。

記憶術を意味する英語の“mnemonic(ニーモニック)”は古代ギリシア語からの派生語であり、その語源自体、ギリシア神話の記憶の女神であるムネーモシュネーが由来していると言われています。

時代にして紀元前6世紀頃でしょうか。

古代ギリシアのシモニデスが開祖と言われていて、シモニデスの手法は紀元前1世紀のラテン語文献である『ヘレンニウスへ』に記載されています。

作者不明の文献ではありますが、これにより、更にシモニデスの手法は広まったと考えられています。

古代ローマでは弁論の際、メモなどを使用することが禁止とされていたので、そんな理由から発達したと推測されます。

古代ギリシアや古代ローマの記憶術はその後、中世ヨーロッパに受け継がれて、主に修道士や神学者が書物を記憶するために用いられたそうです。

この当時はまだ紙がとても貴重なものであって、印刷技術も未発達でした。

そのせいもあって、卓越した記憶力を養うことが教養人となる人間の必須条件だったとも言われています。

まだ文明が進化していなかったからこそ、進化を遂げたのが記憶術というわけですね。

その後、ルネサンス期からバロック期にかけて、記憶術は更に進化を遂げます。

この頃から複雑な体系で構築されていき、そして今のように様々に派生していったと言われています。

日本の記憶術

日本の記憶術を調べてみると、時代は縄文時代まで遡ります。

その当時の記憶術は、体の部位を数に置き換えて記憶していた方法を使っていました。

口を1、目を2、右胸を3、左胸を4、正中線を5、裏面の両耳で6…と、土偶の刺突紋からその当時は体の部位で数を覚えていたことが判明しました。

私たちがよく知っている『聖徳太子』、この人物は伝説上、瞬間記憶に最も長けた人物として有名です。

その他にも、まだ文字文化が普及していなかった時代、『古事記』の編纂には記憶に長けたとして稗田阿礼が起用されています。

その後、文字文化が普及した時代でも、盲目の国学者である塙保己一が『群書類従』を編纂するなど、昔から記憶に長けた人物は書物の深く関わっていたんです。

時代はまた変わりますが、封建時代の忍者も記憶術に関するさまざまな方法を記録していて、『当流奪口忍之巻註』の『心覚目録之事』には、「大袈裟にして覚えること」、「自分のよく知っているものと置き換えて覚える」ように記してありました。

忍者は忍術だけではなく、記憶する力も重要なもののひとつとして考えていました。

なので地形・敵の強弱・人数・日の吉凶・月の出入り・潮の干満・方角・時刻など、全て覚えたと言われています。

また、『当流奪口忍之巻註』では、「いろは一二三の事」で、いろはを数字であったり仏に置き換えて覚えるように記されています。

『万川集海』にも「忍びいろは」という、漢字の部首と旁の組み合わせによって、いろはの48文字を表したものがあります。

あまり忍者と記憶術はイメージがありませんでしたが、こういうことも必要とされていたなんて面白い話だなと思います。

今まで生み出された記憶術の方法

これまでにさまざまな記憶術の方法が生み出されました。

細かく言ってしまえば、数えきれない方法があると思います。

それほどまでに記憶術は今、細分化されています。

今回はざっくりと、主に使われている方法を紹介します。

①場所法

場所を思い浮かべて、そこに記憶したい対象を置く方法です。

別名、「記憶の宮殿」「ジャーニー法」「基礎結合法」とも呼ばれています。

人間は初めて行った他人の家の場合でも、どこに何があったかは比較的よく覚えている傾向があります。

その性質を利用した記憶方法です。

②物語法

ストーりーを考えて、その話に記憶したい対象を登場させる記憶させる方法です。

人間は感情が乗った出来事は比較的深く記憶に刻まれます。

その性質を利用した方法になっています。

③頭文字法

その名の通り、記憶したい対象の頭文字を取り出して覚える方法です。

手軽ではありますが、頭文字が被ることもあるので、全てに適用できるわけではなさそうです。

④置換法

人間は抽象的なものよりも、具体的なものや視覚的にイメージしやすい物の方が覚えやすい傾向にあります。

なので数字などを別なものに置き換える方法になっています。

語呂合わせなんかも、これに含まれます。

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